体は心の犠牲、心は体の犠牲

切れ味良い言葉のナイフ。
今日も磨きが掛かった。
心の殺傷能力高いぜ。
でも、何度突き刺しても心は死なないぜ。
なぜなら体が死なないからな。
本当は心は死んでいるのかもしれない。
でも心は、死んだまま生かされ続ける。
なぜなら、心の生は体の生だからさ。
体が生きているからな。

生きてもいいと思うとき、体は心の犠牲。心が体に合わせなきゃ。
体は心にこういうよ、「あなたのせいで生き辛いよ。毎秒死にたいよ。あなたがしっかりしてくれないから。死にたいけど死ねないよ。わたしは生命を持ってしまった以上、心に頼るしかないの。だって簡単に死ねないから」
心は体に謝るよ、「ごめんね、死にたくさせちゃって。あなたは生きるためのものであるはずなのに…… ごめんね、大多数の人間の心がそうであるように、猿のそれのような何も考えない風景みたいな心になれなくて。心が悪いんだよね。ごめんね、あなたが生きることに耐えられる心になれなくて。ごめんなさい」

自分が死んでいいと思うとき、心は体の犠牲。体が心に合わせなきゃ。
心は体にこういうよ、「あなたが死ねば終わるんだよ、わたしを持ってしまったあなたは、人間(生物)に向いていないんだ。だから、勇気を振り絞って自殺に踏み込んでくれよ。親を悲しませるのが怖いのか? 親に『あなたが死んだらノイローゼになる』っていわれているのか。だったら、安楽死が合法化されれば楽だよね。要は殺処分さ。人間殺処分。それなら親も納得してくれるでしょう。いや、それでも悲しいか。まあ、自殺よりは受け入れてくれるでしょう…… うまれる選択はできなかったんだから、死ぬ選択くらいさせろよなぁ……」
体は心に謝るよ、「死ななくてごめんね。わたしもあなたの意見に賛成。あなたを一刻も早く楽にさせたいと思っているよ…… それまでは生きのばし……」

どちらも中途半端だ。
心に何の非があったというのだろう。
諸悪の根源は、人間が生命(体)を持ってしまったことだ。そもそも人間に生命は向いていない。人間が誰しも、心が死なない猿とか蟻のようになれれば話は別だけど。人間はそういうわけにはいかないから。心が殺傷されたら終わりの始まりだ。

世界は悲しみでできている、誰かが生きていけないほど。